この記事は、読者様よりご質問を頂いた内容になります。プレヒートボックスを使った場合の温め時間などや「一連の作業」を知りたいとのご主旨でした。一連の作業は次の記事で書かせて頂きます。
ついつい「作業の流れ」でしてしまっている所があったりして、コメントを頂き目から鱗でした。その理由とは自分では、「気付いていない・気にしていない」ことを気付かせて頂けたのです。
確かに色々自分で季節や素材などで時間調整はしていたのですが、教えて頂き感謝でした。
方法論は自論ですし何度もお伝えしていますが、私の根底には「楽しんでホットワックスをして欲しい」と皆様が思って頂ければ本当に幸いです
ではさっそくその疑問を解消して頂くためにも記事にしてみたいと思います。
プレヒートボックスで温める時間などは・・・
まずプレヒートボックスとは何か?の方もいると思います。こちらで記事を読んで頂ければ幸いです。

さて、プレヒートボックスで温める時間ですが時期とワックスにより大幅に変わります。
季節というよりも使うワックスでプレヒートの温め時間は変わります
まず夏の場合からですが、夏は外気温も相当暑いのでプレヒートボックスは直に最高温度付近の60度まで上昇してくれます。
逆にハイシーズンの時は地域によりけりでしょうが、夏の様にはいかず相当エネルギーを使いながら60度まで温度を上げていきます。
ここまでは当然のようにご理解して頂けると思うのですが、プレヒートを使う時間というのは、浸透させたいワックスにより使う時間が変化するということです。
ワックスをドカン!と浸透させたいなら長時間プレヒートする
頂いたコメントのお答えは下記の様になります。
ワックスをドカン!と浸透させたいのなら長時間プレヒートします。その長時間とは私が使っている製品のタイマー限界の2時間です。長時間のプレヒートでアイロンを使わずに、ワックスを浸透させることが出来るのは
- ガリウムなら夏の季節は「ピンクとバイオレット」は液体になる
- 夏でも「ブルーとグリーン」は液状化しません
- もちろんハイシーズンになればバイオレットも液状化は難しい場合がある
となります。ハイシーズンになると夏には液状化できていたバイオレットでさえも、溶けるには溶けるのですが、夏のように液体化はしにくくなります。
ですから、ワックスを大量に浸透させるにはやはり「外気温」が高い時期にホットワックスをするのがプレヒートボックスを持っていてもかなりの優位性の違いに気が付きます。
浸透させたいワックスごとにプレヒートの時間は変化させているのか?
まずピンクとバイオレットを最大限に効率的に浸透させるために、ベース作りは暑い時期に行っています。
逆にシーズンインすれば、ワックスを浸透させる目的というよりは、ワクシング作業をし易くしたいという意味合いが多くなってくるので、2時間もプレヒートはしません。
板が温まればOKという考えにシフトしているので、長くて1時間程度。通常は40分位で十分板は温まっています。それに長時間プレヒートをしても、ハイシーズンは使うワックスが硬いグリーンが主役なので、作業性のし易さを目的にしております。
プレヒートボックスで温める時間というのは「使うワックス」と「目的」さらに「時期(季節)」により大きく変化します。ということは「手袋など小物類」を乾燥機代わりにプレヒートボックスを使う場合は、タイマー限界の2時間に設定しおります。
その時は板に軽くピンクやバイオレットを生塗りや途中で取り出して、ワクシングしてからもう1度、ボックス内にいれて温めています。どうせ電気を使うなら「モッタイナイから一緒に温めておこう!」の精神です(笑)
プレヒートボックスを使いすぎると板へのダメージが気になる・・・
大人の板は値段で分ける必要もあまりなく、長時間のプレヒートをしたから・・・といって今まで支障が出た事はありません。
例えば、チューンにだしてから3年経った板もメインで使っていますが、ソールが凸凹してきたことはありません。恐らく理由として
- 急激に冷やさない
- 急激に温めない
ということを心掛けているからだと思います。下のリンク記事でもそのことに触れていますが、プレヒートボックスを使っても急激に冷やすなどの行為(直に室外に持っていってスクレイプを始める)などをしていれば板は凸凹になっていたと思います。

ゆっくり冷ますというのは、温めると同様に大事な要素だと思います。と・・・ここまでは良いこと尽くめのようなプレヒートボックスですが、実は子供板の場合はかなり気をつける必要があります。
プレヒートでもアイロンでも子供板は温めすぎない方が絶対に良いです
子供の板というのも色々ありますが、価格帯でいえばビンディング込みの定価で3万位までの板は注意を払った方が良いです。
ご存知の通り
- 板も柔らかい
- ビンディングも柔らかい
- ソールも柔らかい
子供体重を考慮して、とにかく柔らかく薄く作られています。薄いから柔らかいですし、軽いから子供の力でも楽しむことを目的にしているのですが、その分かれ目が「ビンディング込みの定価で3万位までの板」だと思います。
それ以上になれば「レースモデル」になりますし、大人顔負けの価格帯に一気に跳ね上がります。そんな板は大人と同じようにしても問題にはなりませんが、初心者~中級者くらいまでの板は、とにかく柔らかいので、プレヒートも短時間にしてあげて下さい。
長くても30分程度で十分です。子供板は本当にメーカーによって製造というか素材が良くわからないので、最初にプレヒートする場合は十分に気をつけてください。まぁアイロンも同じなのですけどね。
コメント
先日コメントさせて頂きました、ナカです。(こんなペンネームだったかちょっと怪しいですが)
プレヒートボックスの使用時間や運用の具体的なお話、大変勉強になりました。
一方で、ガリウムピンクやバイオレットの下処理はすでに夏場に済ませてしまって、シーズンからはまた違う作業になるということは、なるほど~と思う反面、一からやっていく自分の場合、改めて考察が必要だなと思いました。初めてやる僕なんかは失敗もするだろうな…笑
しかし、長期スパンでメンテされていく、ぐちゃさん所有のスキー板たちは、本当に幸せ者ですね。道具を大事にする姿勢、素晴らしいです。
今年は年末にシーズンインの予定で、今からあれこれ用意しています。これまでは簡易ワックスばっかりだったので、ぐちゃさんの記事を読み返しつつ、自家製のプレヒートボックス(現状、恐ろしくお粗末な仕上がりですが…)で、トライ&エラーでがんばりたいと思います。
重ねて、ためになる記事、ありがとうございました。
今後とも、楽しくて勉強になる記事を楽しみにしています。
ナカさん
コメント有難うございます。暇な時に適当にホットワックスしているだけです。
道具は大事にしていますが、ガンガン使っているのでボロボロですよ(笑)
楽しんでメンテやホットワックスをしてくださいね。実際は適当でもOKです(笑)
楽しむことが本当に1番大切ですから!
またネタが出来たら更新します。コメント有難うございました!