ホットワックス後の冷却時間
まず最初にホットワックスの方法でありますが、極端に言えば、どんな方法を取ってもワックスを全くしていない板よりは格段に滑走性能が上がるという理解をしてください。
ホットワックスの順番を間違えたとか、回数が少なかったとか、色々悩みはあると思いますが、全く施工をしていないソールよりは本当に性能はUPします。
ただ効率的ではないかもしれない?というだけですのでホットワックスはしてあげましょう。
では本題の冷却時間を見ていきましょう。
ホットワックス後の放置時間
ここではガリウムで話をすすめますがどのメーカーでも同じ考えて良いと思います。
- 室温での冷却時間は30分~1時間程度
上記の時間程度が過ぎましたら、スクレイプできると考えてください。
室内で冷ますのか?屋外で冷ますのか?
私のようにプレヒートボックを自作しているとホットワックス後にはボックス内に戻します。じっくり冷ますというのが実は「ミソ」でして訳があると勝手に思っています。
そのわけとは・・・
スキー・スノーボードの板は各種色々な素材が使われていますよね。心材には木が使われ、メタルが入っていたり、エッジという金属があったり、ビスやボルト、各種プラスティック素材などたくさんの素材から板は出来ています。
冷却の膨張収縮がそれぞれに違う
ということは、冷却の膨張と収縮がそれぞれの素材毎に違うということです。ここで一気に冷却工程を行いますと、お互いが引っ張りあったり縮みあったりして板には良くないと思うのです。
あくまでも自論です。しかしそのように考えているので出来るだけゆっくりと冷却していくほうが板には優しいと考えておりますので、プレヒート後にホットワックスが完了したら
改めてプレヒート内の断熱された箱内でゆっくりと冷ましていくことをしております。
その為、室温で冷却すれば30分~1時間程度でスクレイプが可能ですが、プレヒート内は断熱施工がされてますので、3時間~4時間程度後にならないとスクレイプはできません。
ワックスが固まれば良いのか?
ホットワックスは本当に人それぞれで、プレヒートなどしなくてもワックスを大量にかけて、ソールに3往復もすれば完了!としている人もいます。
ワールドカップのチューナーなどはそんな方法が多いですね。もしくはワックスフューチャーを取り入れているチームもあったりします。
そのような状況を鑑みますと、プレヒート無しの状態から板全体を温めようと、アイロンを何往復もする方法は良くないのだと推察できます。
プレヒート後の板は何往復程度、アイロンを動かしてる?
一概に何度と?言われると少し困りますが(状況によって違うので)、凡その目安はやっぱり3往復程度(上下に6回)ですね。
こちらでもやっぱり6回(3往復程度)です。クリーニングでさえ6回もすればほとんど綺麗になるので、ホットワックスでの浸透なら十二分なのかもしれません。

プレヒートボックスのメリットは硬いワックスに対応できる
プレヒートを使うメリットは低温と思われる60度前後で板全体を温めることが出来ることと、硬いワックスでも、板に余熱が有るためソールを焼くリスクを減らせることが出来ます。
さらに高温度帯(ピンク・バイオレット)などの柔らかいワックスではアイロンをほとんどせずにホットワックスが出来てしまうという、更なるメリットがありますので作成しました。
まとめ
まとめとしまして、
冷却時には温かい場所から、一気に外気などの寒い場所で冷やさない
理由として様々な素材がお互いの膨張収縮率の違いから不都合が出そうな気がする(自論)
そんなことから、もう一度プレヒートボックス内に戻し、そのまま翌日程度まで放置しております。(3~4時間経過後、さらにプレヒートすることも多々あります)
ということで冷却時間も大切だとは思いますが、ある程度冷却曲線というのか?ゆっくりと冷める状況にしてあげる方が板には良いと思っています。
人間でもヒートショック!などがあるのですから、板にもあるような気がしております。
コメント
ホットワックスのことをあれこれ調べているうちにこちらにたどり着きました。
大変勉強になる記事が盛りだくさんで、折に触れて拝見しています。特にプレヒートボックスの話で感銘を受け、ぐちゃさんの記事を参考に、今自作ボックスの検討中です。
で、ちょっとご質問させて下さい。
プレヒートボックスの中で温めている時間はどれくらいなんでしょうか?冷却時間についての記事はあったのですが、入れるワックスごとに差があるのか、数年来実施されてきたぐちゃさんの経験則などからアドバイス頂けると助かります。(そういうトピックの記事を上げていただくものいいかもしれません。大きなお世話ですが…)
おそらく長すぎては板へのダメージが少なからずありそうだし、溶けた感じが出れば即止めてOKなのかなど、目安が分かると助かります。
また、プレヒートボックスを使う前提として、どのような流れでホットワックスを施工されているのか、その手順が記事になっているとうれしいなあとも思いました。(通常のホットワックス法についてのぐちゃさんのやり方は記載なされていますが、プレヒートボックスを使ったトータルでの流れがあればな…と)
長々と書いてしまい、失礼いたしました。これからも楽しい記事を楽しみにしています。
ありがとうございました。
ナカさん
コメントありがとうございます。
必ずこの内容で記事にいたします。
月曜日に記事にしてみますので、またコメントくださいませ