インフレと云うのは現金資産が減ると言う事だし物価が上がると言う事だ。「そこまでの変化は起きないよ!」「インフレ、インフレって気にしすぎじゃない?」
現在はグローバル社会だから上記の通りかもしれない。しかし日本も含め資本主義国家は今まで何度もインフレを発生させてきたという厳然たる事実がある
資本主義はインフレになる
現在の1万円も過去の1万円も額面上は1万円です。しかしその価値は当時と過去では大きく違う。戦後からの給料の移り変わりを表にしてみた。全国民の当時の平均給与が下記になる。
年 | 平均年収 |
---|---|
昭和25年 | 12万 |
昭和30年 | 20万 |
昭和35年 | 30万 |
昭和40年 | 50万 |
昭和45年 | 94万 |
昭和50年 | 203万 |
昭和55年 | 295万 |
昭和60年 | 352万 |
平成2年 | 425万 |
平成7年 | 457万 |
平成12年 | 461万 |
平成17年 | 437万 |
平成22年 | 412万 |
平成27年 | 420万 |
これを見ると、昭和30年の平均年収20万とは現在と比べいかにお金に価値があったのかがわかるが、その前の戦前は「円・銭」が単位だった。
戦後すぐにインフレが発生したので生活は困窮していた事だろう、「円・銭」から「万」にインフレで変更されたのだから…
経済成長はインフレのことをいう
しかし平成3年のバブル崩壊までは日本再建に向かい、凄い勢いで平均年収が上がっているのが目に見える。これも平成7年で頭打ちをして平均年収も下がってしまった。
昭和25年は平均年収12万だった。当時の人にとっては現在の年収400万程度に相当するか?私にはわからない。
しかし、仮に現在の経営者が「年収12万で働いてくれ」と募集を掛ければ「ブラック企業」と呼ばれSNSに拡散があるだろう。これだけは断言できる。
この様に資本主義とはインフレを伴った現金価値の目減りが起りやすいと言うのがわかってもらえるだろう。だから現金だけの資産形成は一番危ないというわけだ。
給料や賃金もインフレを起す
先ほどの平均年収ベースの横に日経平均を記入してみた。小さな間違いも多々あると思うが賃金よりも株式の方がよりインフレになっているという観点で見てほしい。
年 | 平均年収 | 日経平均 |
---|---|---|
昭和25年 | 12万 | 107円73銭 |
昭和30年 | 20万 | 374円 |
昭和35年 | 30万 | 1,116円62銭 |
昭和40年 | 50万 | 1,203円16 |
昭和45年 | 94万 | 2,193円21銭 |
昭和50年 | 203万 | 4,243円5銭 |
昭和55年 | 295万 | 6,870円16銭 |
昭和60年 | 352万 | 12,565円62銭 |
平成2年 | 425万 | 24,295円57銭 |
平成7年 | 457万 | 19,868円15銭 |
平成12年 | 461万 | 13,785円69銭 |
平成17年 | 437万 | 16,111円43銭 |
平成22年 | 412万 | 10,228円92銭 |
平成27年 | 420万 | 19,033円71銭 |
やはり平成3年に発生したバブル崩壊から失われた30年と云うのは非常に厳しい時代だ。平成7年をピークに平均年収ベースが上がるどころか落ちている。
給与や賃金以上 株式株価はよりインフレを起す
簡単にだが平均年収ベースと日経平均ベースの増え方を計算してみよう
昭和25年の給与12万が平成27年には420万。一体何倍になったのか?平成27年時点で昭和25年よりも「年収は35倍」に増えた。
同じく株価はどうだろう?同じ昭和25年と平成27年でみてみよう。昭和25年より平成27年時点で株価は「約176倍に増えた」
リーマンショックが起きたのが平成20年(2008年)9月15日だが、この傷により平成22年の平均株価も相当落ち込んでいるがこの時も計算してみよう
昭和25年より平成22年時点で株価は「約95倍に増えた」
投資は長期で考えると圧倒的な勝利
現金貯金のみをしていた人は「年収ベースで給与は上がっていったが」現金は物凄い勢いでインフレの波を受けほとんど価値がなくなった
逆に株式投資をしていた場合にはインフレ以上のスピードで価値を膨らます事ができた
昭和25年の人が「頑張って貯蓄をし目標の100万になった」当時の100万は平均年収12万なのだから実際には1000万以上の価値があっただろう。
しかし、額面の100万はやはり100万以上にはならなかった。
株式を長期保有するという事実
一方、100万の投資をしていた人はインフレ以上のスピードで資産を増やす事ができた。別にこの人は何か特殊な能力を持っていた訳ではない。
ただ長期に株式を持つという事をしただけだ。当時の100万は95倍~176倍の9500万~1億7600万にまで増やす事ができた。これが資本主義の醍醐味であり真実である。
また本当の投資とは株式の長期保有だと考える。ここに配当金まで含め株式を購入していればその差はこれ以上になるだろう。
経済成長にはインフレは必要だった
これを見てもらい「株式を買いなさい」や「資産運用を絶対にしないさい」など云うつもりは毛頭ない。それは個々人の考え方だ。
ただ、資本主義はインフレを伴った経済成長を何れかの場面で発生させる。それが今日なのか明日なのか、はたまた来ないのか?またもう一度デフレに戻るのか?その時期は誰にもわからない。
しかし経済成長をする為にはインフレもまた必要な事柄だ。
インフレ社会では株価は上昇する
そして給料の増額よりも株価の上昇率が高い。これは世界中どこでも共通している。実際に給料は35倍増額だったが株式は95倍~176倍に増額するという現象がたかだか70年程で起こるのだ。
インフレが発生しても必ず給料は最後の最後にしか増額しない。これも世界共通だ。なぜならコスト増を意味するから競争に打ち勝てないからだ。だから最後の最後になる。当然だ。
賃金 給料の増額はインフレの一番最後になる
しかも増額しても必ず「給料が安い」「生活が苦しい」「安月給だ」という声は当たり前にある。これも当然だ。すでにインフレで物価が上がっているのだから。
どこかの従業員が「給料は最高に良い」「生活が楽だ」「高月収だ」なんていう事は今後も資本主義が続く限りない。
もしそんな言葉が発生しているのであれば「ライフバランス」においてその給料に「納得出来ている」という状況になっているだけだ。もしそんな状況が納得出来ないなら
- 起業するか
- なにかに投資
する以外にはない。
投資においても会社経営並みに鋼のメンタルも要求されるので簡単でないが…急いで資産を倍増させようとして再起不能になる人も多いから。簡単にはススメませんが、数字の事実を記事にしてみた

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